太陽光発電を導入する際に、蓄電池も一緒に設置した方がよいか悩んでいませんか？実は、蓄電池の導入で、太陽光発電がさらに効果を発揮します。この記事では、太陽光発電と蓄電池の両方を導入するメリットやデメリットだけでなく、導入の際に意識したいポイントを詳しく解説します。蓄電池の導入が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

太陽光発電と蓄電池の基礎知識

ここでは、太陽光発電と蓄電池の情報を簡単に解説します。まずは、基本を知り太陽光発電と蓄電池の関係性を理解しましょう。

太陽光発電とは｜太陽光を利用した発電方法

太陽光発電とは、太陽の光を利用して電気を作り出す方法です。太陽光パネルが太陽の光を吸収し、そのエネルギーを電気に変換します。このプロセスは、光電効果と呼ばれ、半導体材料を用いて光を電気に変える技術です。太陽光発電は、環境に優しい再生可能エネルギーとして注目されています。化石燃料を使わずに電力を生産できるため、二酸化炭素の排出量の減少が可能です。また、設置場所や方法によっては家庭や企業の電力コストを大幅に削減できる可能性がある発電方法です。

太陽光発電の仕組みはこちらの記事で詳しく解説しています

蓄電池とは｜電気を貯めておく装置

蓄電池は、電気を一時的に保存するための装置です。太陽光発電で作られた電気を蓄電池に貯めておくこともでき、必要なときに電力を使用することができます。蓄電池を使用することで、夜間や曇りの日でも貯めておいた電気を利用できるため、太陽光発電システムの効率化が可能です。また、停電時のバックアップ電源としても活用できるため、安心して暮らすための重要な装置ともいえるでしょう。

太陽光発電と蓄電池の関係性

太陽光発電と蓄電池は、お互いの役割を補完し合うような関係性です。太陽光発電で作られた電気を蓄電池に貯めることで、電力の使用時間を自由に調整できます。これにより、電力の自給自足を目指すこともできるでしょう。また、電気が安い時間帯に発電した電気を蓄電池に保存し、電気代が安い時間帯に蓄電池から放電することで、電気料金を抑えることも可能です。このように、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、より効率的で持続可能なエネルギー利用ができます。

太陽光発電と蓄電池の両方を設置する5つのメリット

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて設置することで、電気代の削減や停電時の安心感など、多くのメリットがあります。ここでは、5つのメリットを詳しく解説するので、導入を検討する際の参考にしてみてください。

電気代を削減できる可能性がある

太陽光発電と蓄電池を併用することで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。昼間に発電した電力を蓄電池に貯め、夜間や電力使用量が多い時間帯に使用することで、電力会社からの購入電力を減らせるためです。電力会社の料金体系により異なりますが、自家消費を増やすことで電気代の節約が期待できます。とくに電気料金が高騰のしている近年では、家計を助けるのに役立つでしょう。

停電や災害のときでも電気を使用できる

蓄電池の導入で、停電や災害時にも電力を使用できます。万が一、停電しても蓄電池に貯めた電力があれば、照明や冷蔵庫、テレビなどの家電製品を使用できるため一定の生活は維持できるでしょう。とくに台風や地震などの自然災害が頻繁に発生する地域では、緊急時の非常電源として太陽光発電と蓄電池の導入もおすすめです。

同時設置をするとコストを抑えられる場合がある

太陽光発電システムと蓄電池を同時に設置することで、コストを抑えられる場合があります。工事にかかる費用や設置の手間を一度に済ませられるため、個別に設置するよりもコストを抑えられる場合が多いようです。また、業者によっては太陽光発電システムと蓄電池を同時に導入することで、割引やキャンペーンの適用になる場合もあります。まずは、業者に見積もりを依頼してみるのがよいでしょう。

売電価格が下がった後に自家消費しやすい

売電価格が下がった場合でも、蓄電池の活用で自家消費に切り替えやすい点もメリットの一つです。固定価格買取制度（FIT制度）の対象期間が終了すると、売電価格は低下する傾向にあります。売電価格が下がった後は電力を自家消費する方が、電力を購入するよりもコストを抑えられるため、事前に導入しておくとよいでしょう。

※参照：経済産業省 エネルギー庁 「なっとく！再生可能エネルギー」

環境保全の貢献につながる

太陽光発電と蓄電池の併用は、環境保全への貢献にもつながります。再生可能エネルギーを利用することで、化石燃料の使用を減らし、二酸化炭素の排出量削減が可能です。持続可能な社会の実現に向けて、各家庭や個人ができる具体的なアクションとして注目されています。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使用する3つのデメリット

太陽光発電と蓄電池を組み合わせた使用にはメリットもありますが、デメリットもいくつかあります。懸念点についてもよく理解してから導入するのがおすすめです。

設備を設置するスペースが必要になる

太陽光発電と蓄電池を導入する際には、設備を設置するための十分なスペースが必要です。太陽光パネルは屋根の広さに依存するため、住宅の形状や大きさによっては設置が難しい場合があります。また、蓄電池も一定のスペースを確保する必要があり、とくに家庭用であれば屋内外のどちらに設置するかを考慮しなければなりません。設置スペースの確保は、計画の初期段階でしっかりと検討することが重要です。

初期費用が高額になる場合が多い

太陽光発電と蓄電池を同時に導入する場合、初期費用が高額になる場合が多いです。太陽光パネル自体の価格に加えて、蓄電池の費用も加算されるため、全体のコストが大きくなります。とくに高性能な太陽光パネルや蓄電池を選ぶと、その分価格も高くなりやすいです。また、太陽光発電や蓄電池を設置する際には、工事費用も発生します。設置場所や条件によっては追加の工事が必要になることもあるため、業者に事前に見積もりを依頼し、設置にかかる費用を確認するようにしましょう。

両方の設備のメンテナンス費用がかかる

太陽光発電と蓄電池は、長期間にわたって使用するため、定期的なメンテナンスを態の定期的なチェックが必要です。これらのメンテナンスは、安全性や確実性の高さから専門の業者への依頼が一般的であり、業者に依頼するための費用がかかります。しかし、長期的な視点で見ればメンテナンスを怠ることにより設備の寿命が短くなる可能性があるため、必要経費として考える方がよいでしょう。

太陽光発電の仕組みはこちらの記事で詳しく解説しています

太陽光発電と蓄電池の両方を導入するときの3つのポイント

太陽光発電と蓄電池を導入する際に、意識しておきたい3つのポイントを紹介します。後悔しないためにもぜひ確認しましょう。

同時導入でコストを抑える

太陽光発電と蓄電池を同時に導入すると、コストを抑えられる場合があります。設置工事を一度に済ませることで、工事費用や時間の節約につながるでしょう。また、太陽光発電と蓄電池の同時購入による割引やキャンペーンを行っている業者もあります。設備の性能も重視しつつ、費用を削減できるところは削減して賢く導入するのがポイントです。

太陽光発電システムの発電量に合った容量の蓄電池を選ぶ

太陽光発電システムの発電量に適した容量の蓄電池を選ぶことは、発電した電力を効率的に使用するために重要です。蓄電池の容量が小さすぎると、発電した電気を十分に貯められず、反対に容量が大きすぎると無駄なコストが発生します。太陽光発電での発電量や家庭の電力使用状況を考慮して、最適な容量の蓄電池選びが重要です。

国や自治体の補助金制度を活用する

持続可能な社会の実現に向けて注目される太陽光発電は、普及のために国や自治体で補助金制度を設けている場合があります。太陽光発電や蓄電池を導入する際に補助金制度を活用すると、初期費用の負担を軽減できる可能性があるでしょう。補助金制度は住んでいる地域や時期によって内容が異なるため、最新の情報を収集し、申請手続きを正しく行うことが大切です。

太陽光発電と蓄電池の導入についてよくある質問

太陽光発電と蓄電池の導入を考えている方にとって、設置に関する具体的な疑問は多いものです。この見出しは、蓄電池の後付けの可否や、投資回収期間、補助金の利用について詳しく解説します。これにより、導入を検討する際の判断材料を提供します。

蓄電池の後付けは可能？

蓄電池の後付けは可能です。ただし、既存の太陽光発電システムと互換性のあるものを選ぶ必要があります。蓄電池を後付けする場合、システムの調整や追加工事が必要になることもあるため、まずは専門業者に相談してみましょう。

太陽光発電と蓄電池を設置したらどのくらいで元が取れる？

太陽光発電と蓄電池の設置による投資回収期間は、一般的に10年から15年程度とされています。ただし、この期間は設置費用や電気代の削減効果、売電収入などにより変動します。蓄電池を併用すると電気代の削減効果が高まり、回収期間が短縮される可能性が高まるでしょう。また、設置する地域の電力単価や日照条件、補助金の利用状況によっても回収期間は変わります。具体的な回収期間を知るためには、専門業者によるシミュレーションを依頼するのがおすすめです。

蓄電池の選び方は？

太陽光発電用の蓄電池を選ぶ際は、まず「目的」と「使用スタイル」を明確にすることが重要です。停電対策なら長時間使える大容量タイプ、自家消費重視なら日常的な充放電に強いタイプがおすすめです。設置スペースや保証期間、寿命（サイクル数）も比較しましょう。また、太陽光パネルとの相性やメーカー保証の有無も確認すると安心です。補助金制度を活用すれば導入コストを抑えられます。

太陽光発電と蓄電池を設置する際に使用できる補助金は？

たとえば、東京都では「太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業」として、新築住宅に太陽光パネルを設置する際に1kWあたり12万円（上限36万円）の補助を受けられます（※1）。補助金の内容は地域によって異なり、申請には一定の条件を満たしている必要がある場合が多いです。最新の補助金情報は、各自治体のホームページや専門業者を通じて確認しましょう。

※参照：東京都 環境局 「太陽光発電設備の設置に対する東京都の助成事業」