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卒FITとは?電力価格と期間終了後に選ぶべき選択肢

卒FITとは太陽光発電の固定価格買取期間が終了することです。
売電単価が7〜9円/kWh程度まで下がる理由、満了時期の確認方法、売電継続・家庭用蓄電池・EV+V2Hという3つの選択肢の費用とメリットを比較し、ご家庭の電気の使い方に合った選び方を解説します。
卒FIT(固定価格買取制度の満了)とは

卒FITとは、太陽光でつくった電気を国が定めた価格で買い取ってもらえる期間が終わることです。住宅用の買取期間は10年間で、満了後は売電単価が大きく下がります。
卒FITとは固定価格での買取期間が終わること
卒FITとは、FIT制度(固定価格買取制度)にもとづく10年間の買取期間が満了することです。制度の対象から外れるだけで、発電設備は従来どおり稼働します。
変わるのは、発電した電気を売り続けるか自宅で使い切るかを、自分で選び直す必要があるという点です。
FIT制度の仕組みと10年で区切られる理由
FIT制度は、再生可能エネルギーの電気を国が定めた価格で買い取ることを電力会社に義務づけた制度です。住宅用の買取価格は2012年度で42円/kWhと、当時の高額な設置費用を10年で回収できる水準に設定されていました。
買取費用は電気料金に上乗せされる再エネ賦課金で賄われています。設備価格が下がった現在も高単価の買取を続ければ国民負担が膨らむため、投資を回収できる期間として10年が区切りとされています。
卒FITを迎えると何が変わるのか
売電単価は7〜9円/kWh程度まで下がります。買取義務がなくなり、各電力会社が市場価格に合わせて設定するためです。年間3,000kWhを売電するご家庭なら、年約12万6,000円だった収入が約2万4,000円になります。
一方で発電量は変わりません。電気料金が30円前後で推移する今、8円で売るより自宅で使うほうが1kWhあたり20円以上得になります。卒FITは、売る価値より使う価値が上がる転換点だといえます。
▶ FIT制度そのものの仕組みや買取価格の推移について詳しく知りたい方は、「FITからFIPへ!2026年最新「FIP転換/移行」で収益改善する5つの理由」もあわせてご覧ください。
卒FITの満了時期を確認する方法と事前準備
対策を検討する前に、満了日と現在の電気の使い方を数値で把握します。確認すべき項目は次の2つです。
電力会社からの「買取期間満了のお知らせ」を確認する
買取期間の満了日は、電力会社から届く通知書で確認します。通知は満了の4〜6か月前に送付されるのが一般的です。通知書で確認する項目は次のとおりです。
- 買取期間の満了日
- 設備ID(再エネ設備の識別番号)
- 現在の買取単価と、満了後に適用される単価
- 満了後も同じ会社で売電する場合の手続きの要否
設備IDは新電力会社へ切り替える際の申し込みに必要です。通知書は手続きが完了するまで保管してください。通知が見当たらない場合は、電力会社のWeb会員ページからも満了日を照会できます。
電気使用量と余剰売電量を把握する
選択肢を比較するには、現在の電気の流れを数値で押さえる必要があります。検針票または電力会社のWeb会員ページから、直近12か月分の次の数値を確認してください。
- 月ごとの購入電力量(kWh)と電気料金
- 月ごとの余剰売電量(kWh)と売電収入
- 時間帯別の使用量(スマートメーター設置済みの場合)
12か月分を確認するのは、季節によって発電量と使用量が大きく変動するためです。余剰売電量が年間3,000kWh、購入電力量が年間4,000kWhであれば、卒FIT後に減る売電収入と、自家消費で削減できる電気代を比較できます。
時間帯別の使用量がわかると、蓄電池の必要容量も判断しやすくなります。夜間(17時〜翌7時)の使用量が1日あたり7kWh程度であれば、蓄電容量7kWh前後が目安です。
卒FIT前に知っておきたい注意点
卒FITを狙った悪質な訪問販売の手口
卒FITを迎える世帯を狙った訪問販売のトラブルが増えています。代表的な手口は次のとおりです。
- 「法改正で点検が義務化された」と偽り、有償点検を契約させる
- 「今日契約すれば補助金に間に合う」と期限を強調して即決を迫る
- 電力会社や自治体の関係者を装って訪問する
- 無料点検と称して屋根に上がり、故障していない設備の修理を勧める
住宅用太陽光発電に、国が義務づけた定期点検の制度はありません。点検の義務化を理由に契約を求められた場合は、その場で判断しないでください。
契約前に確認すべきポイント
訪問販売で契約する場合でも、次の4点を守れば不当な契約は避けられます。
- その場で契約書に署名せず、見積書を受け取って持ち帰る
- 2〜3社から相見積もりを取り、機器の型番と工事費の内訳を比較する
- 会社名と所在地、施工実績を公式サイトなどで確認する
- 不審な点があれば消費者ホットライン(188)に相談する
訪問販売による契約は、契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフが可能です。すでに契約した場合も、期間内であれば書面で解除を申し出られます。
卒FIT後に選ぶべき3つの選択肢の比較

満了時期が見えてきたら、次は発電した電気をどう活かすかを決める段階に入ります。
売電の継続・蓄電池での自家消費・EVとの連携という3つの道があり、それぞれの特徴は異なります。初期費用や今後の暮らし方に合わせ、最適な方法を見つけてみてください。
選択肢1:電力会社と契約して売電を続ける
最も手軽なのが、電力会社と再契約して売電を続ける方法です。追加投資がいらず、今の生活を崩さずに移行できる安心感があります。
ただし、売電単価はFIT期間中より大幅に下落します。まずは現在の契約先が提示する買取価格を確認しておきましょう。
選択肢2:家庭用蓄電池を導入して自家消費する
売電単価が下がるなら、いっそ自宅で電気を使い切るのが2つ目の方法です。
昼間に太陽光で発電した電気を蓄電池に貯めておき、夕方や夜間にご自宅で消費します。昨今の電気代高騰をふまえると、高い電気を買わずに済む恩恵は小さくありません。
選択肢3:EV(電気自動車)とV2Hを連携する
3つ目は、太陽光で発電した電気をEVに貯めて自宅で使う方法です。すでにEVをお持ちなら、この選択肢が有力な候補に入ってきます。
実現にはV2Hという専用機器が必要ですが、EVは家庭用蓄電池よりも容量が大きいため、余剰電力を無駄なく活用できます。
選択肢1:電力会社への売電継続の具体的なやり方
3つの選択肢のうち、初期費用ゼロで最も手軽に選べるのが売電の継続です。
設備の追加なしで売電先を決めるだけなので、まずは現状維持で様子を見たい方に適しています。
ここからは、大手電力会社と契約を続ける手続きや、新電力への切り替え手順を整理します。
大手電力会社との継続契約の手続き
現在の大手電力会社で売電を続けるなら、特別な手続きは不要なケースが大半です。案内を確認するだけで、自動的に新単価の買い取りへ移行されます。
手間がない反面、売電単価は低めに設定されがちです。そのまま続けるか、まずは提示条件を見ておきましょう。
新電力会社の高単価プランへの切り替え手順
希望する新電力会社のWebサイトから申し込むだけで、手続きは完了します。実は、思っているよりも手間はかかりません。
現在の電力会社への解約手続きは、新電力側が代行してくれます。スマートメーターが未設置の場合は無料の交換工事が行われます。
売電継続のメリットとデメリット
最大のメリットは、蓄電池などの新たな設備投資が不要でそのまま手軽に続けられる点です。
一方で、売電単価は7〜9円/kWh程度まで下がるのが一般的です。収入はかつてより減るため、家計への貢献度は下がると割り切って考える必要があります。
選択肢2:家庭用蓄電池導入による自家消費の具体的なやり方
売電単価が下がるなら、いっそ自宅で電気を使い切ろうと考える方も多いはずです。
そこで有力なのが、家庭用蓄電池を導入して自家消費に切り替える方法です。ここからは費用相場や補助金、災害時の備えまで、具体的な手順と仕組みを順番に見ていきます。
蓄電池の導入費用相場と最新の補助金活用
蓄電池の相場は、工事費込みで約110万〜260万円が目安です。金額が大きい分、予算とのバランスを見ておく必要があります。
負担を減らす国の補助金は2026年5月に受付を終了しました。しかし自治体の制度は残っている地域もあるため、一度確認してみてください。
夜間や雨天時の購入電力削減の仕組み
夜間や雨天時も、蓄電池があれば自家消費でカバーできます。高い電気を買わずに済むのは、家計にとって大きな安心材料になるはずです。
日中の余剰電力を貯め、夜や悪天候時に使うのが基本の仕組みです。夜間の安い電気を充電して昼に回す運用も可能です。
災害時・停電時の非常用電源としての備え
自家消費のメリットに加え、いざという時の安心感も蓄電池ならではの強みです。
停電時でも自立運転に切り替わり電気が使えます。家全体をカバーする「全負荷型」と、特定回路のみの「特定負荷型」があるため、まずはご家庭で必要な範囲を想定しておきましょう。
蓄電池導入のメリットとデメリット
最大の魅力は、発電した電気を貯めて夜間や停電時に使える点です。電気代が高騰する中、自家消費による節約効果は実感しやすいでしょう。
一方で、初期費用の高さと設置スペースの確保が壁になります。ご自宅の予算や環境に合うか、一度確認してみてください。
選択肢3:EV(電気自動車)とV2H連携の具体的なやり方
蓄電池を買う代わりに、車を太陽光発電の受け皿にする方法もあります。それがEV(電気自動車)とV2H機器を連携させる選択肢です。
普段乗る車が家を支えるバッテリーにもなるため、無駄がありません。具体的な仕組みやメリットを順番に整理していきます。
V2H(Vehicle to Home)設備の導入と仕組み
電気自動車を蓄電池として活用するためには、V2Hと呼ばれる専用機器が必要です。この設備があれば、太陽光で発電した電気を車に貯め、夜間に自宅へ戻して使うことができます。まずは駐車スペースの広さや、対応する車種を確認しておきましょう。
大容量バッテリーとしてのEV活用法
電気自動車のバッテリーは、家庭用蓄電池の数倍に達する大容量を持っています。
家庭用が約1日分をまかなうのに対し、車なら数日間の電力をカバーできる余力があります。
日常の足として使いつつ、余った電気をたっぷり貯めておけるのが心強いポイントです。
EV連携のメリットとデメリット
最大の魅力は、家庭用蓄電池を凌ぐ大容量の電力を活用できる点です。電気代の大幅な節約と、停電時の安心感が得られます。
一方で、初期費用の高さが壁になりがちです。車で外出中は家に給電できないため、日中の使い方を含めて相性を見極めましょう。
ライフスタイル別に見る卒FIT後の最適な活用法

3つの選択肢が出揃ったところで、どの方法がご自宅に合うのか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここからは、ご家族の生活リズムや将来の目標に合わせた具体的な活用戦略を解説していきます。現在のご自宅の状況と照らし合わせてみてください。
日中の電気使用量が多いご家庭向けの対策
日中も在宅しているなど、昼間の電力消費が多いなら、発電した電気をそのまま自家消費するのが一番の対策です。
高い電気を買わずに済むため、これだけでも家計の負担をぐっと抑えられます。まずは洗濯や炊飯などを日中に済ませる工夫から取り組んでみてください。
夜間の電気使用量が多いご家庭向けの対策
夜間の電気使用量が多い場合、昼間の余剰電力をいかに夜へ回すかが対策のカギになります。
蓄電池を導入して電気を貯めるか、エコキュートの沸き上げ時間を昼間にずらす方法が有効です。ご家庭の設備状況を踏まえて、無理なく実行できる選択肢から探ってみてください。
災害対策や環境貢献を重視するご家庭向けの対策
万が一の停電に備えつつ、再生可能エネルギーを無駄なく使いたいなら、蓄電池やV2Hの導入が有力な選択肢です。
発電した電気を貯めて使うことで、クリーンな電力の自給自足が叶います。ご家族の安心と環境配慮を両立する手段として検討してみてください。
卒FITに関するよくある質問(FAQ)
ご自宅に合った方針が見えてきたところで、手続きや設備の仕様といった細かな疑問も解消しておきたいタイミングです。
ここでは、卒FITを迎える際によく寄せられる代表的な疑問を取り上げます。あらかじめ不安を取り除き、安心して次の行動へ進んでください。
卒FIT後に何も手続きをしないと電気はどうなりますか?
契約によって異なりますが、多くは大手電力会社の低単価プラン(7〜9円/kWh程度)へ自動移行するか、最悪の場合は無償引き取りとなります。
せっかくの電力を無駄にして後悔しないよう、満了の通知が届いた段階で早めに次の活用先を比較しておきましょう。
家庭用蓄電池とV2Hは同時に導入できますか?
結論からお伝えすると、蓄電池とV2Hは同時に導入できます。
太陽光・蓄電池・EVの3つを1台で制御する「トライブリッド」を設置するのが一般的です。別々に工事すると費用が余分にかかりかねません。まずは設置スペースの確認から進めてみてください。
太陽光パネルの寿命は卒FITの10年と同じですか?
10年で買取期間が終わると、パネル自体も寿命を迎えるのではと不安に感じるかもしれません。
太陽光パネルの寿命は一般的に20〜30年とされており、卒FIT後も問題なく使い続けられます。まだ十分に発電できるため、安心して次の活用法を選んでいきましょう。
卒FIT後の生活に適した太陽光発電の活用戦略
10年間の固定価格買取期間が終了しても、太陽光発電の価値がなくなるわけではありません。
売電を続けるか、蓄電池やEVを活用して自家消費へ切り替えるか。まずは現在の電気使用量や生活習慣を振り返り、ご家庭に最適な方法を選ぶ一歩を踏み出してみてください。
▶ FIP制度の仕組みやメリット、導入時のポイントについて詳しく知りたい方は、「FIP制度とは?初心者にもわかる仕組みと導入のポイント」もあわせてご覧ください。
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太陽光発電や蓄電池についてさらに詳しく知りたい方は、ハンファジャパンの製品・サービス情報もご覧ください。
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